そのキタキツネは私に気づいて 一瞬立ち止まりはしたけれど
すぐに何事もなかったように 私の脇を通り過ぎて
土の匂いのする 未舗装の道に入って行きました
しばらくして振り向きこちらを見たので
「ははぁん あれは
気にしていないふりをしていたのだ」と
少し可笑しくなりました
フサフサの冬毛におおわれた美しいキツネは
私が頭上を飛ぶハクチョウに気をとられているうちに
ネズミを仕留めていました
大きな口を 閉めたり
開けたり
「おぉ すごい すごい
おまえは すごいよ」
と声をかけると
遠くにいたキツネが振り向きました
まんざらでもなさそうな顔つきをしたキタキツネに
さわらのトンボを仕留めたときの 得意そうな顔が重なりました
夏から秋にかけて さわらはベランダでトンボ狩りをします
一度 トンボを捕まえるのを見て 「うわぁ すごいね!」と褒めてから
さわらはトンボを捕まえるたびに 必ず私を呼ぶようになりました
トンボを甘嚙みしたまま くぐもった声で鳴くのです
私はその度 大急ぎで駆けつけて よだれまみれになったトンボを受け取り
「さわらは すごいね」と褒めながら
こっそり窓から逃がします
動かないでそのまま落ちてゆくトンボもいましたが
大抵は羽ばたいて飛んで行きました
「ごめんね もう こっちに来ちゃダメだよ」
土煙をあげて 大型トラックが走ります
ビート( 甜菜 /てんさい )運搬でしょうか
北国の 初冬の風物詩です
おまけ
あたし トンボとり名人なんです
綺麗な狐ですね〜
ネズミ 捕まって今日のご飯にはありつけて
よかった〜
家猫は トンボや小鳥や捕まえても狩猟本能を満足させているだけで
ただ遊んで 食べない、、というのも 困りますが
とらえて獲物を ご主人に見せて褒めてもらいたいのでしょうね〜
野良猫で 餌がなければ きっと 食べるのでしょうが〜
’まあ’も 蛇を捕まえてきた時は 私は車ででかけるときで
「ひえ〜 まあちゃん放してやって〜」と そのまま出かけたので
帰ってきて庭に出るのがちょっと怖かっただわ〜
ネズミは 家の中で放したので タンスの後ろに入り
出すのに 往生しました〜
ちゃんと おまささんの手に 渡すというのが 偉いさわらちゃんです〜
katananke05 様
きれいなキツネでしたよ
しっぽもフサフサで うれしかったです
さわらも時々 捕まえた小さな虫をぱくりと食べたりはするんだけど
トンボは捕まえるだけ
きっと野生の血が騒ぐんでしょうね
トンボさん ごめんなさい~ です
友だちの猫は 捕ったネズミをベッドの上に置いてたことがあったそうです
きっとプレゼントのつもりだったんでしょうね
あはは