今回は風連湖で目にした光景から‥
すっかり結氷して どこから見ても雪原にしか見えない風連湖
この日も強い風が吹き荒れていました
寒さに震えながら湖に目をやると
魚を咥えたキタキツネが一目散に逃げて行きます
極端にしっぽの細い 毛並みの悪いキタキツネです
疥癬症に侵されているのかもしれません
キタキツネの小さな影の近くに 別の大きな影が迫って来ました
立ち止まり 振り向くキタキツネ
キタキツネを追っているのは オオワシの若鳥達でした
どちらも腹を空かしています
羽を広げれば2mを超す大型のワシが
1匹の魚を横取りしようとやって来ます
何度もアタックをかわしていたキタキツネですが
森に逃げ込む前に
とうとう 咥えていた魚を離してしまいました
オワシの若鳥は魚を掴み
上空へと舞い上がります
キタキツネは力なく森の中に消えて行きました
氷の冷気を含んだ強い風が吹きつけ
完全防備をしていても 寒さで体がガタガタと震えてきます
外での撮影は9分が限界でした
暖かな車に逃げ込みながら
毛の抜けたあのキタキツネが不憫でたまらなくなりました
みんな生残るために必死です
キツネさんには、子供が待っていたのでしょうか。
その場で食べてしまえば良かったのにネ、などとはらはらしながら
見てしまいました。
尻尾がふさふさになっていないキツネは、哀れでなりません。
昨日、一つ隣の資材置き場の雪原で、綺麗で見事な尻尾の狐を
見たばかりなので、余計に、このキツネを応援したくなってしまいました。
痩せガエル負けるな一茶ここにあり の句を思い出してしまいました。
冬の掟、厳しいですね。がんばれぇー^^
mimiha 様
この時期のキタキツネは豊かな毛に覆われて美しいはずなのですが
この子は毛が抜け とてもみすぼらしく見えました
冬場に毛が抜けるということは 命に係わることなので とても心配です
はらぺこの痩せギツネ
せめて魚を食べさせてやりたかったなぁ‥
ちなみにこの魚 風連湖そばの とある宿泊施設がまいたもの
家に戻ってから調べてみると 毎日午前9時にまいているのだと分かりました
私がここに来たのはお昼前
魚の数が少なかった事にも それがカチンコチンに凍っていた事にも
集まっているオオワシのほとんどが幼鳥だった事にも
ちゃんとした理由があったわけです
(オオワシの餌を食べる順序は 基本 年功序列です)
弱いものは淘汰される
自然の掟は 守られる事に慣れている私達には
とてもつもなく厳しく思えます
自然界では 強い物が生き残り また強い物のみ
残して行くのですね、、
しっぽのみすぼらしい キタキツネは
この冬は 越せないのかも、、
後1月 なんとか 生き延びて頂戴〜
捕ったお魚は その場で すぐ食べましょう〜と
教えて上げたいわ〜
カタナンケ様
時々 毛並みの悪い しっぽの細いキツネを見かけます
1990年代の後半にキタキツネの数が激減しました
ヒゼンダニによる疥癬症が原因でないかと言われています
疥癬症に侵されたキタキツネは 重症化すると体やしっぽの毛が抜け
皮膚が硬くなりひび割れるそうです
激しい痒みを伴い 掻きむしった傷口から感染症を引き起こすこともあるようです
十分な餌がとれず痩せ衰えたキツネは生きていくことができません
疥癬症は接触感染です
家族や同じ巣穴を利用するものは 簡単に感染してしまいます
たまにしっぽの毛の抜けた親ギツネが 子ギツネを連れているのを見かけます
そうしたキタキツネを見ると ひどく気分が落ち込みます
カチコチに凍りついた魚はくっついてひと塊になっていました
そのカチコチの魚を取り囲むように たくさんのオオワシが集まっていました
みんな 隙あらば魚を取ってやろうと様子を窺っています
その中に紛れ込み やっとのことで魚1匹分をもぎ取ったキタキツネ
そこで魚を食べることは不可能だったかも‥
もう少しで森の中まで逃げ込めたのにと思うと哀れです