動物

森のなか

深い森のなか
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ひょいと現れたのは、
時計を持ったうさぎ
ではなくて、日傘を持ったシマリスでした。
「後をついておいで。」
と言うので、少し迷いましたが
勇気を出してシマリスについて行くことにしました。
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大きな木の幹に、
真っ赤な帽子を被ったカラスがしがみついていました。
珍しいですね。
こんなカラスを見たのは初めてです。
と言うと
シマリスはひどく慌てて、
とんでもない。
あの方は国の天然記念物、クマゲラさまです。
と教えてくれました。
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開けた草原で、またカラスを見つけました。
あのう、あそこに見えるカラスはずいぶんお洒落ですね。
と話しかけると
あの方は「カササギ」さんです。
カラスの遠縁に当たりますが、カラスではありません。
日本じゃ九州の一部と、北海道のこの辺りでしか見られない方なのですよ。
と、神妙な顔をして話してくれました。
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突然シマリスが立ち止まると
さあ、これからは静かにしていてくださいね。
と言います。
息をひそめ、そっと後をついて行きました。
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木陰から
小さな小鳥が2羽、水浴びをしているのが見えました。
とても気持ちよさそうでした。
あれはいったい誰なのですか?
と尋ねると、
 
今入っているのは、ヤマガラのご夫婦です。
と囁くような声で答えてくれました。
抜き足差し足忍び足‥。
そっとその場を離れました。
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シマリスはスルスルと木に登り、
さぁ、次が最後です。
と言いました。
遅れて見失わないように、早足で追いかけました。
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川のほとりに、カモの親子が休んでいました。
小さくてかわいいですね。
と私が言うと、
まだ生まれて間もないマガモのお子さん達です。
と教えてくれました。
親鳥は1羽なのですか?
ええ、マガモさんはみんな、奥さんだけが子育てをするのです。
あんなにたくさんのヒナをお母さんガモ1羽で?
私も理由は知りません。
でも、そうやってマガモさん達は子孫を残しているのです。
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でも、どうして?
振り返ると、シマリスの姿はもう何処にもありませんでした。
空にぽっかりと浮かんだ雲が、
ゆっくりと西の方へ流れていくのが見えました。

POSTED COMMENT

  1. 淳子 より:

    今日は素敵なおとぎ話を読ませて頂きました
    でも、本当の風景なのですよね、いいなー
    北海道に行きたいなーと思いました
    以前に、もしかしたらコメントさせて頂いた事があるかもしれませんが
    お気に入りに入れて、読ませて頂いています
    これから良い季節ですね
    お身体大切になさってくださいね
    ブログ楽しみにしています

  2. おまさ より:

    淳子様
    本当の風景なんです。
    目の前に現れたシマリスが 草の茎を握って立ち上がったときは
    思わず「おぉ~!」と思いました。
    コメント、頂いていました。
    長野にお住まいで、巣箱でシジュウカラが巣立ったとか。
    ちなみに我が家の巣箱では、現在シジュウカラが子育て中です。
    ブログ、ずっと読んでくださっていたのですね。
    ありがとうございます。
    今後ともどうぞよろしくお願いします。

  3. 遅咲きのガーデナー より:

    ご無沙汰しております。
    毎日楽しく拝見させていただいておりますよ~
    娘さんと、ピッカピッカくん おめでとうございました。
    遅くてごめんなさい。m(__)m
    「花子とアン」の「みみずの女王」みたいに
    とっても素敵なお話。
    「おおっ~!」から、カメラを取り出し、レンズを向けるまで
    きっと電光石火だったのでしょうね。
    りすくん・・・さんかな・・・・ちゃんと待っててくれたのね。
    い~子 い~子(*^_^*)

  4. おまさ より:

    遅咲きのガーデナー様
    お久しぶりです。
    娘の結婚式やピッカピカの誕生。
    不思議ですね。なんだか遠い昔のことのような気がしています。
    お話はピッカピカのために書きました。
    まだ何もわからないでしょうけれど。^^

  5. いくみ より:

    なんて素敵なお話!
    大人も子供も楽しめる絵本のようです!
    おまささんのブログを読んでから、
    家の周りの草花や、鳥をよく見るようになりました。
    今まで、いかに周りを見ているようで見ていなかったか気づかされます。
    白と黒の鳥は カササギ という言うんですね。
    わたしもシマリスに会いたいなぁ。

  6. 茶々ママ より:

    やっぱりオマサさんは才女です❗️❗️
    ある時はカーディナー
    ある時は絵本作家
    そしてシャッターチャンスを狙うカメラマン と多才です
    後 まだまだありそう!羨ましいです
    オープンガーデン楽しみです
    サワラちゃんにもあわせて下さいね✨

  7. おまさ より:

    いくみ様
    私も同じように感じました。
    視線を変えると今まで見えなかったものが見えてくる。
    外歩きを始めてから、世界が変わった気がします。
    カササギはもともと日本には居ない鳥でした。
    現在のところ、「朝鮮半島(もしくは中国)からの外来種」ではないかと
    推測されているようです。
    シマリス、かわいいでしょ。^^
    澄んだ大きな瞳、直に見ると吸い込まれそうになります。

  8. おまさ より:

    茶々ママ様
    才女‥、それは買いかぶりです。
    いつだったか友人から
    「まさはどうして、みんなが出来ることが出来ないんだろうねぇ。」
    と言われたことがあります。
    私ってそういう人です。(笑)
    今年もオープンガーデンに参加します。
    期日等、そのうちブログでもお知らせしますね。
    さわらと一緒にお待ちしています。^^

  9. ブランシュ より:

    すてきなお話!
    おまささんとリスさんの案内で、私も森の中を歩いているような気持ちになりました。
    ピカピカ君がもう少し大きくなられて、一緒に森を歩いて・・・
    自然の素晴らしさを伝えてあげられますね!
    楽しみですね!

  10. おまさ より:

    ブランシュ様
    ありがとうございます。
    森の中を一緒に歩いて戴けて嬉しいです。
    ピッカピカと森の中を歩く。
    想像しただけで愉しくなります。^^

  11. カタナンケ より:

    すてきな お話ありがとさん〜
    しまりすさんも 道案内にたちあがるには
    草の茎がちょっと 必要だったのかな?
    いつもは どんぐりをいれる 巾着を持ってるのよ、、
    おまささん 知ってた?

  12. おまさ より:

    カタナンケ様
    どんぐりを入れる巾着‥。
    想像して笑ってしまいました。
    めちゃくちゃかわいいです。
    本物のシマリスはこの後、地面に隠していた餌を掘り出して
    ムシャムシャと食べ始めました。
    小さな前足を使って器用にね。

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