キャララ キャララ
森の中を散策中 聞き慣れない鳥の声が聞こえてくる
それも大合唱だ
ドキドキしながら鳴き声の方に進むのだけど
近づくとピタリと鳴き止む
辺りに鳥の姿はない
諦めてその場を離れるのだが
しばらくすると またしてもあの大合唱が聞こえてくる
そんなことを何度か繰り返し
狐につままれたような気分になったことがある
あれは 今から何年くらい前のことだったろうか
その後 写真仲間から
それは蛙の鳴き声だと教えられたときも
にわかには信じがたかった
だって 蛙といえばゲコゲコでしょ
エゾアカガエルは 日本では北海道でしか見られない蛙だそうで
オスの体長はおよそ5 cm
メスはそれより一回り大きく 7 cm くらいはあるとのこと
見慣れたアマガエルは2~4.5 cm というから
ずいぶんと大きい
鳴くのは繁殖期の雄だけ
キャララ キャララの鳴き声は
北国の春の風物詩となっていた
手前に光って見えるのは エゾアカガエルの卵
冬眠から目覚め 森の小さな小さな池で
恋の歌を歌うエゾアカガエルの雄達
今は心から いいな と思う
昔私は蛙が大の苦手だった
蛇よりも トカゲよりも ゴキブリよりも
なによりも怖かった
特に危害を加えるわけでもなく
それほどグロテスクというわけでもないのに
あのヌメリが嫌だったのか
車にひかれてぺしゃんこになった姿が嫌だったのか
蛙を思い出そうとすると
理科の授業で 解剖のためにはりつけにされた姿と
湿り気のある生臭い感覚が思い浮かんでしまい
どうしても好きになれなかった
そんな私が変わることができたのは カメラのおかげ
レンズを向けると 蛙はすてきな被写体に変わった
エゾアカガエルに梅雨時の生臭さはなく
むしろ春の到来と生命の息吹を感じさせる
今ならアマガエルを見ても平気かもしれない
触る自信はまだないけれど
おまけ
カエルぴょこぴょこ みぴょこぴょこ