3日ほど前から風邪をひいて、体がだるい。
熱もないし、それほどひどい症状ではないけれど、外出は見合わせて家でごろごろしている。
体調が悪い時の一人暮らしは、少し堪える。
普段感じない孤独が一気に押し寄せてきて、つい夫の顔がチラチラする。
ベッドに横になったままオリンピック観戦。カーリングの対イングランド戦は見応えがあった‥。
でも試合が終わった途端、寂しさで息が詰まりそうになる。‥なんて弱虫なんだろう。
こんな日は早く寝ちゃうに限る。部屋の電気を消して目を閉じたのは、8時頃だったかなぁ。ウトウトし始めた頃、メールの着信音が鳴った。
「玄関ドアに袋をかけてあるよ。ミルクを温めて飲んでね!」
友だちからだった。
ごそごそと起き出して玄関のドアをそっと開けたら、メール通りにドアノブに白い袋がかかっていた。中をのぞくと、好物のドラ焼きと500mlの牛乳パックが入っていた。
薄っすらと積もった雪の上に、彼女が残した真新しい足跡がついていた。
孤独感が、スーッと遠のいていくのが判った。